ジソウのお仕事

ショートステイに救われる親子

青山さくら・児童相談支援専門職員
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 2020年6月、東京都大田区で3歳の女の子が8日間自宅に放置され衰弱死し、母親が保護責任者遺棄致死容疑で逮捕された。24歳の母親は、子どもを置き去りにしたまま、男性と鹿児島で会っていたと報道されている。

 「なぜ幼い命を救えなかったのか」とテレビや新聞で取りざたされるなか、ある自治体の子ども関係部署では、「ショートステイ(お泊まり保育)事業※をもっと気軽に利用してもらえるようにしたい」という声があがっていると聞いた。それまで、この事業の受付窓口では、申し込みに来た保護者に対して、子どもを預ける理由(家族の病気や冠婚葬祭など)を尋ねて「確認する」というよりは、問い詰めるような場面もあり、「(母が遊ぶために)わが子を預けるなんて養育放棄じゃないか、甘えている」というきびしい意見もあったらしい。けれど、子どもの命が救えるのなら、預かる期間や費用の減免制度も含め、子育て支援サービスの使い勝手をもっと良くする方向に考え方を変えてもいいんじゃないかと思う。

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青山さくら

児童相談支援専門職員

「青山さくら」はペンネーム。複数の児童相談所で児童福祉司として勤務。「ジソウのお仕事」は隔月刊誌「くらしと教育をつなぐWe」(フェミックス)で2009年4月から連載。過去の連載の一部に、川松亮・明星大学常勤教授の解説を加えた「ジソウのお仕事―50の物語(ショートストーリー)で考える子ども虐待と児童相談所」(フェミックス)を20年1月刊行。【データ改訂版】を2021年3月に発行した。絵・中畝治子