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大人のむし歯「根面う蝕」予防と削らない治療法

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超高齢社会で急増する大人のむし歯

 超高齢社会になり、口の健康の大切さが認識されるようになっています。それに伴って、2016年には80歳の50%以上が20本以上の歯をキープできるようになりました。しかし、多くの歯が残るようになった高齢者に、歯のつけ根にできるむし歯「根面う蝕(しょく)」が急増しています。最近のデータでは、わが国の70代の65%、80代の70%が根面う蝕にかかっており、そのほとんどは歯周病と関係があることが分かってきました。つまり、歯周病で歯を支える骨が目減りすると、それまで歯ぐきに覆われていた歯のつけ根が現れるようになります。「歯が長くなった」と感じるのは歯のつけ根が露出したからです。さらに、歯のつけ根の象牙質は、かみ合わせ部分のエナメル質と比べて、酸性環境においてミネラルを失いむし歯になりやすいのです。

 高齢者の根面う蝕は、唾液(つば)の減少と大きく関係しています。唾液は食事の際ののみこみをスムーズにしたり、免疫力を発揮したりと体に欠かせないものであると同時に、むし歯予防の観点からは酸を中和するという大切な役目があります。唾液は、もともと加齢とともに減ります。加えて、高血圧やアレルギーに対する薬を服用したり、頭や首のがんに対する放射線治療を受けたりした場合は、明らかに減少し、一気に根面う蝕が進行することがあります。

 根面う蝕は、「歯がしみる」などの初期の自覚症状が出にくいことや、歯のつけ根を輪状に囲むようにして、広範囲に歯ぐきの中に潜りこみながら進行することが特徴です。とりわけ、日々のブラッシングが行きとどかない要介護のような状況では、根面う蝕は深刻化しやすくなります。なかには、…

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