心の天気図

期待背負ったアルツハイマー病新薬承認

佐々木 司・東京大学教授・精神科医
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 アルツハイマー病の新薬が米国で承認された。認知症の患者数は2025年には我が国全体で700万人に達すると予測され、アルツハイマー病はその中で最も人数が多い。これまでの治療薬は、脳機能を少し高めたり脳細胞の保護を助けたりする補助的な効果しかなかったが、新薬は、アルツハイマー病の脳細胞に蓄積する物質(アミロイドベータ)を分解する働きがある。病気の発症と進行を抑える可能性のある薬剤としては初めての承認となった。

 このため患者さんやその家族はもちろん、国民全体から大きな注目と期待を集めている。その一方で、多くの新薬につきものの、というより一般の新薬以上に注意すべき点も多い。

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佐々木 司

東京大学教授・精神科医

東京大学医学部医学科卒。東大病院、財団法人神経研究所晴和病院での勤務を経て、トロント大学クラーク精神医学研究所に留学。帝京大学医学部講師などを勤め、2008年に東京大教授。生活習慣や環境的諸要因と「こころと体」の健康との関連の解明、学校精神保健教育プログラム開発などを進め、英文国際誌を中心に成果を発表している。日本不安症学会理事長、日本学校保健学会常任理事。一般向け著書としては「その習慣を変えれば『うつ』は良くなる!」、共著に「精神科医と養護教諭がホンネで語る 思春期の精神疾患」