医療プレミア特集

その薬、本当に必要? 内服薬を見直すべき2つのタイミング

西田佐保子・毎日新聞 医療プレミア編集部
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 糖尿病、高血圧、関節痛など、いくつもの病気の治療などのために複数の薬を服用している人も多いだろう。ただし、「何の薬だかわからない」「飲み残しが多くなってきた」という人は注意が必要だ。「ポリファーマシー(多剤併用)は、めまいやふらつきなどの原因になる可能性があります」。東京都健康長寿医療センターで「ポリファーマシー外来」を担当する岩切理歌・総合診療科部長はそう指摘する。【西田佐保子】

薬を服用するリスクがメリットを上回ることも

 年を重ねると、慢性疾患を含めてさまざまな病気を併せ持ち、内科、整形外科、循環器内科など数カ所の病院や診療科に通うことがある。しかし、加齢とともに臓器の機能は低下し、薬を服用するメリットよりも副作用のリスクが上回るケースもある。薬の恩恵によって快適に毎日を過ごせる人がいる一方、複数の薬の服用で健康被害が起きている人も少なくない。

 日本老年医学会がまとめた「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」では、6種類以上の薬を併用すると健康被害が起きる割合が高くなるとしている。ただし、岩切さんは「重要なのは、あくまでも処方内容です」と強調する。

 「例えば、糖尿病、高血圧、脳梗塞(こうそく)などの薬は種類が多く、リスクの高い薬を1種類やめて、安全性の高い薬3種類に調整することもあります。その結果、服用すべき薬だけで10種類を超える人もいますが、必ずしも服薬数が問題ではありません」

 東京都健康長寿医療センターは16年から、入院患者を対象に各科の医師と薬剤師でチームを作り、ポリファーマシー対策を進めてきた。すると、さまざまな症状が出始める80~85歳のうち、足腰は健康で複数の病院に通うことができる人の服薬数が多くなる傾向が分かってきた。また、ふらつきやめまいを訴える患者の約半数は、処方薬に問題があった。これらの症状は、加齢によって起きやすく、糖尿病やレビー小体型認知症の症状とも重なる。そこで、高齢者が適切な薬物治療を続けられるように、19年1月にポリファーマシー外来をスタートした。

 この外来は薬の適正使…

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西田佐保子

毎日新聞 医療プレミア編集部

にしだ・さほこ 1974年東京生まれ。 2014年11月、デジタルメディア局に配属。20年12月より現職。興味のあるテーマ:認知症、予防医療、ターミナルケア。