現代フランス健康事情

「普通の生活」へ向かう一歩一歩

竹内真里・フランス在住ライター
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青空と緑、良い空気をマスクなしで満喫する人たち=筆者撮影
青空と緑、良い空気をマスクなしで満喫する人たち=筆者撮影

 6月半ば過ぎから最高気温32度という夏日が続いたかと思えば、雷鳴を伴うにわか雨が降るなど天気の変化が激しくなっている。新型コロナウイルス対策は、今月9日に第3段階の緩和が実行され、30日に解除予定だった夜間外出制限も早まって20日に解かれるなど、かなり「普通の生活」に近づいている模様をお伝えしたい。

屋外では原則マスクを外してもよし、なのだが…

 住宅街を歩くと、スイカズラの甘い香りに誘われる。車の排ガスも鼻につく。17日から屋外ではマスクをしなくてもよくなったのだ(ただし、行列や集会などの人が集まる場では着用。屋内や公共交通機関内などは引き続き着用が必須)。呼吸が楽になり、いろいろな匂いがよくわかるようになった。マスク着用が習慣化していたので、逆に顔を覆うものがないと少し心細く感じる。

 21日は音楽祭の日。フランスでは例年、各地でコンサートや音楽に関するイベントが開かれ、夏至の夜をめいっぱい楽しむ。個人も路上で楽器演奏が許可されるので、あちこちからにぎやかな旋律が聞こえてくる。今年の音楽祭の中止を決断した自治体もあるが、20日に夜間外出制限が完全に解除されたこともあり、パリやリヨンなど大都市では多くの人が街に繰り出した。

 「密」の状況で、ほとんどの人はマスク未着用だ。公式発表の新規感染者数はこのところ数日2000人台に減っているとはいえ、「この先大丈夫かな」と不安がよぎる。

コーヒータイムが恋しかった

 テレワークから通勤に戻る人も増えてきた。ノエルさんは「テレワークで毎日家にいて、家族とけんかになっても、なかなか気分転換できませんでした。店も閉まっていました。通勤を再開して、好きな音楽を聴きながらひとり運転する時間が気に入っています。あとは同僚とのコーヒータイムですね。まだテレワークを続けている人もいるので、みんなそろうのが楽しみです」。

 100%オフィス勤務に戻ったバレリーさんは「どっぷりテレワークから、通勤リズムに再び体を慣らすにはもう少し時間が必要です。1日の終わりにはどっと疲れてくったくた。でも、一日中ひとりでパソコンに向かう生活はもうまっぴら。通勤再開初日はコーヒータイム用にお菓子を焼いて持参しました。ランチタイムにいつも行っていたレストランで久しぶりに食事をした日は、チームで乾杯しましたよ」。

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竹内真里

フランス在住ライター

1978年千葉県生まれ。2000年から2002年までフランス南部マルセイユに滞在。その後、東京や香港でライターとして取材・執筆に従事。2015年に再びフランスへ。現在はリヨン市内でフランス人の夫、娘と暮らしながら現地情報を発信している。