現代フランス健康事情

待望の夏休みと新型コロナ変異株 人々の思いは

竹内真里・フランス在住ライター
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人もまばらな静かな湖畔。釣り人や散歩をする人がちらほら=筆者撮影
人もまばらな静かな湖畔。釣り人や散歩をする人がちらほら=筆者撮影

 7月に入った。学校は夏休みが始まり、恒例の夏のセールもスタートした。街は買い物客やレストランで食事を楽しむ人たちの姿が見られる。一見すると、ほぼ普通の生活だ。しかし、この流れに待ったをかけるように、フランス国内では新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」が拡大し始めている。市井の人々の生活はどのように変化しているのか、そしてこの夏をどのように過ごす予定か、聞いてみた。

学校や会社の行事はルールを守って開催

 フランスは、6月末から7月上旬が「年度末」にあたる。学校では期末試験や卒業試験が実施され、歌やダンスの発表会などが開催される。私の子どもが通う学校では、5月の学校祭は中止だったが、6月末の発表会は、マスク着用で保護者の見学も可能となった。

 教員のファビエンヌさんは「新型コロナの影響で、昨年から子どもたちも私たちも、本来なら遠足や学校祭などを楽しめたはずの機会を逃し、残念に思います。不満が募ると『この状態が永遠に続くわけではない』と自分や児童らに言い聞かせています。夏休みを楽しく過ごし、9月には元気に再会したいです」と話していた。

 年度末の会社では、社員たちを集めたセミナーや親睦会が開かれる。この7月、泊まりがけのセミナーに参加した会社員のフロリアンさんは「参加にあたっては、検査で陰性を確認してからということでしたが、ワクチン接種が済んでいる人は検査をせずに来ている人が多かったようです。ホテルの会議室でワークショップを開いたり、屋外でのゲームで交流を深めたりしました。外はいいのですが、大勢集まった屋内でもマスクをつけた人はごく少数でした」と様子を教えてくれた。さらに、「食事の際も、テーブルを囲む人数は座れるだけ座って、という感じです。消毒ジェルの用意もなかったし、やはり長年の習慣に新しい習慣は勝てない(根付かない)ものですね。ずっと画面越しに話していた同僚たちと数カ月ぶりに直接顔を合わせて話ができ、良いセミナーでした」と振り返った。

ワクチンへの思いはさまざま

 段階的規制の解除や、ワクチン接種が進む(7月8日時点では、約3500万人が1回目を接種済み。フランスの人口は約6700万人で、成人のおよそ半数が2回接種を完了した)につれて、その安心感からか、これまで続けていた手洗い、マスク、距離をとる、などの行動をやめてしまう人が増えたように思う。

 日本でもいろいろな意見があるのと同じように、フランスも似たようなものだ。「…

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竹内真里

フランス在住ライター

1978年千葉県生まれ。2000年から2002年までフランス南部マルセイユに滞在。その後、東京や香港でライターとして取材・執筆に従事。2015年に再びフランスへ。現在はリヨン市内でフランス人の夫、娘と暮らしながら現地情報を発信している。