百寿者に学ぶ バランス健康術!

しみの仕組みを徹底解説 知ればできる対応策

米井嘉一・同志社大学教授
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「しみ」ができるのはどうして?

 「しみ」が気になるという方は、かなりいらっしゃいます。

 しみは20~30歳代からでき始め、加齢にともなって数が増え、面積も広がっていきます。原因は日光です。初めは数ミリ程度ですが、大きくなると直径が数センチにもなります。色は、初期には薄い茶色ですが、次第に濃くなり、境界も明瞭になっていきます。「しみ年齢」が進んだ状態です。

 以前も紹介した皮膚の老化度(「老化のサインはお肌から」参照)の測定では、顔の皮膚のしみの面積に基づいて「しみ年齢」の評価をします。医学的には「日光性黒子」と呼びます。「老人性色素斑」という名称もあるのですが、この病名を説明すると気分を害される方もいるので、私はなるべく使わないようにしています。

しみができるメカニズム

 日光に当たると日焼けをします。主に、紫外線によって色素細胞(メラノサイト)が刺激され、メラニンという色素が作られるためです。こんがりと日焼けした小麦色の肌の色は、メラニンによるものです。

 メラニンの材料は、チロシンというアミノ酸です。チロシンに酵素(チロシナーゼ)が働きかけるとメラニンができます。できあがったメラニンは、色素細胞から角化細胞(ケラチノサイト)に受け渡され、細胞の核を紫外線から守るように配置されます。大切な遺伝子を紫外線から守る「日傘」のような役割です。

 正常な場合は、角化細胞と色素細胞がお互いに信号を出し合って、メラニン生成がちょうどいいあんばいの量になるよう統制されています。必要に応じて刺激を出したり抑制したりして、メラニンの量を制御します。正常であれば、角化細胞のメラニン色素はやがて分解され、2~3日で肌の色はもとに戻ります。この場合は、しみはできません。

 では、なぜ「しみ」ができるのでしょうか。

 大きな違いは「角化細胞の遺伝子(DNA)が損傷したかどうか」にあります。遺伝子が傷つくと、角化細胞が発する信号に異常が生じ、メラニンの生成を促す刺…

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米井嘉一

同志社大学教授

よねい・よしかず 1958年東京生まれ。慶応義塾大学医学部卒業、同大学大学院医学研究科内科学専攻博士課程修了後、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校留学。89年に帰国し、日本鋼管病院(川崎市)内科、人間ドック脳ドック室部長などを歴任。2005年、日本初の抗加齢医学の研究講座、同志社大学アンチエイジングリサーチセンター教授に就任。08年から同大学大学院生命医科学研究科教授を兼任。日本抗加齢医学会理事、日本人間ドック学会評議員。医師として患者さんに「歳ですから仕方がないですね」という言葉を口にしたくない、という思いから、老化のメカニズムとその診断・治療法の研究を始める。現在は抗加齢医学研究の第一人者として、研究活動に従事しながら、研究成果を世界に発信している。最近の研究テーマは老化の危険因子と糖化ストレス。