心の天気図

コロナ後の「清潔」を考える

佐々木 司・東京大学教授・精神科医
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 新型コロナウイルスの感染流行が続いて1年半になる。毎日の生活は大きく変わり、マスク着用のほか、頻回に手洗い・消毒をするようになった。施設やお店に入るたびにアルコール消毒が求められるし、帰宅すればすぐにせっけんで手洗いする人が多いと思う。

 これらは、コロナに限らず感染予防に随分役立っていて、昨年から今年にかけての冬は、インフルエンザの発症も例年より大分少なかった。ただ流行の終息後にどうするかは、少し考える必要がある。

 理由は二つある。一つは強迫症の懸念だ。強迫症では、体の清潔保持へのこだわりが極端になる人が多い。頻回の手洗いで手が荒れるだけでなく、入浴や洗浄に何時間も時間がかかり、睡眠や休養など他の生活の時間が圧迫される人も少なくない。

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佐々木 司

東京大学教授・精神科医

東京大学医学部医学科卒。東大病院、財団法人神経研究所晴和病院での勤務を経て、トロント大学クラーク精神医学研究所に留学。帝京大学医学部講師などを勤め、2008年に東京大教授。生活習慣や環境的諸要因と「こころと体」の健康との関連の解明、学校精神保健教育プログラム開発などを進め、英文国際誌を中心に成果を発表している。日本不安症学会理事長、日本学校保健学会常任理事。一般向け著書としては「その習慣を変えれば『うつ』は良くなる!」、共著に「精神科医と養護教諭がホンネで語る 思春期の精神疾患」