現代フランス健康事情

新型コロナで再び規制強化 分断深まる恐れ

竹内真里・フランス在住ライター
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お出かけ日和の週末、カフェは満席。8月以降、衛生パス保持者のみ利用となる=筆者撮影
お出かけ日和の週末、カフェは満席。8月以降、衛生パス保持者のみ利用となる=筆者撮影

 7月12日、フランスのマクロン大統領が演説で、医療従事者の新型コロナウイルスのワクチン接種の義務化と衛生パス(48時間以内の新型コロナ陰性証明、ワクチン接種完了証明、新型コロナからの回復証明のいずれか)の条件厳格化などの「追い詰め策」を発表して以来、各地で抗議デモが繰り広げられている。このところの新規感染者数は1日当たり2万人台になり、一部の県では再びマスク着用を推奨するなどしている。

「夏休みはいろんなことを体験し、どんどん遊ばなくちゃ」

 そんな中、バカンスに出かけた友人たちからSNS(会員制交流サイト)などでメッセージが届く(以前は絵はがきが主流だったものだが)。訪問先の名物、歴史ある城などの写真が次々に送られてきて、各自、思い思いの夏休みを過ごしている様子がよく伝わってきた。

 友人のバレリーさんは愛犬と電車でブルターニュの実家に2週間帰省し、両親や姉家族と共に過ごした。フランクさんらもプロバンス地方を旅行し、風景や郷土料理の写真を送ってくれた。

 隣人で年金生活者のティエリさんも「今月は低学年の孫たち3人を連れて1週間キャンプ場に行きました。川で釣り体験、カヌーやカヤックをしたり、アスレチック場や洞窟に連れて行ったりして、ヘトヘトになりました。8月は別の孫たちとバカンスに出かけます。夏休みは学校の勉強は忘れて、いろんなことを体験し、どんどん遊ばなくちゃ」とうれしそうに話していた。

 私の周辺では、年代を問わず、この夏、外出を控えている人はいない。一方、日本では国民が外出の自粛を求められたり、子どもの習い事の大会に保護者が応援に行けなくなったりしている話を聞くと、せつない気持ちになる。

希望の光と言われていたワクチンに揺れる人々の思い

 ワクチンは「一刻も早く接種して当然」と考える人もいる。持病や体調などを考えて、当面の間、見合わせたい人もいる。新しいものだけに、安全性に疑念を抱く人もいる。

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竹内真里

フランス在住ライター

1978年千葉県生まれ。2000年から2002年までフランス南部マルセイユに滞在。その後、東京や香港でライターとして取材・執筆に従事。2015年に再びフランスへ。現在はリヨン市内でフランス人の夫、娘と暮らしながら現地情報を発信している。