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子どもの胆道閉鎖症

 胆汁は、脂肪の消化吸収を助ける黄褐色の液体です。正常なら肝臓でつくられたのち、胆管を通って十二指腸へ流れ込みます。胆道閉鎖症ではこの通り道が塞がれるので肝臓に溜まり、黄疸を引き起こします。やがて、肝臓の組織が破壊されて「胆汁性肝硬変」が起きてしまい、治療が難しくなります。

肝臓組織の破壊だけでなく脳出血を引き起こすことも

 このほかにも、胆汁が消化管に流れなくなることで、脂肪の吸収が悪くなり、脂肪と一緒に吸収されるはずのビタミンの欠乏が起きます。なかでもビタミンKが欠乏すると、出血しやすくなり、脳出血などを引き起こす場合もあります。

 胆管は一度胎内で正常につくられ、何かの原因で炎症が起きて詰まることが多いと考えられています。この点で、臓器がつくられる過程で異常が起きる先天性疾患とは異なります。

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