心の天気図

感染拡大防ぐには わかりやすい説明を

佐々木 司・東京大学教授・精神科医
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 定年が近づくにつれ、退職後の生活が気がかりになってきた。気になるのはコミュニケーションの問題だ。今は似た職業の世界で人付き合いも限られているが、退職後はそうはいかない。

 そもそも似た職業の者同士ですら、コミュニケーションが難しいことは少なくない。大学の教員なら、理系と文系の隔たりは大きい。たとえば最近はやりの「エビデンス」という言葉一つとっても、文系教員の使い方は、私のような理系人間には理解困難なことがまれでない。

 退職後は、全然違う仕事をしてきた人が地域で集まる。自分には「常識」でも相手は聞いたこともないことが、たくさんあるだろう。その時に「知っていて当然」と勘違いし、相手に分かりやすい説明の工夫を怠ることは避けたい。

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佐々木 司

東京大学教授・精神科医

東京大学医学部医学科卒。東大病院、財団法人神経研究所晴和病院での勤務を経て、トロント大学クラーク精神医学研究所に留学。帝京大学医学部講師などを勤め、2008年に東京大教授。生活習慣や環境的諸要因と「こころと体」の健康との関連の解明、学校精神保健教育プログラム開発などを進め、英文国際誌を中心に成果を発表している。日本不安症学会理事長、日本学校保健学会常任理事。一般向け著書としては「その習慣を変えれば『うつ』は良くなる!」、共著に「精神科医と養護教諭がホンネで語る 思春期の精神疾患」