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「スマホで気軽に」思春期の悩み、小児科医に相談

鈴木敬子・毎日新聞 医療プレミア編集部
 
 

 スマートフォン(スマホ)で無料通信アプリ「LINE(ライン)」や電話を使い、離れた場所にいる小児科医に子どもの病気や健康に関することを相談できる遠隔健康医療相談サービス「小児科オンライン」が注目されている。これまでは保護者向けのサービスだったが、今年7月から一部の自治体で小中学生がスマホなどから直接、小児科医に相談できる試みが始まったからだ。「小児科オンライン」の運営会社「Kids Public」(東京都千代田区)で小中学生向け事業を担当する白井沙良子医師と、社長の橋本直也医師に、こうした取り組みを始めた理由やコロナ禍における相談内容の特徴について聞いた。

 小児科オンラインは、一般の小児科クリニックなどの診療が終わった後の平日午後6~10時に、10分間の予約制で小児科医に相談できる「夜間相談」と、毎日どの時間でも専用フォームから相談内容を送り、24時間以内に小児科医から回答が送られてくる一問一答形式の「いつでも相談」がある。2016年5月にスタートし、18年11月からは妊産婦からの相談に応じる「産婦人科オンライン」も始まった。現在は小児科医、産婦人科医、助産師計170人が登録している。

 昨年5~8月に経済産業省の委託を受け、期間限定で全国民向けにサービスを無償提供した。現在、サービスを使うには有料会員(3980円<税別>)への登録が必要だが、自分の住む自治体や所属企業が導入している場合は、無料で使える。現在、58法人と22自治体で導入が進む。相談者が無料で使えようにするため、今後はより法人や自治体への販売を強化する予定で、有料会員の募集は8月末で停止するという。

友人関係の悩みなど、寄せられた真剣な相談

 ――小中学生向けの新たな取り組みについて教えてください。

 ◆白井医師 私たちのサービスを導入していただいている新潟県村上市の小学4~6年生と中学生、埼玉県横瀬町の中学生計約2700人が、「夜間相談」と「いつでも相談」を利用できます。子どもたちはスマホのほか、学校が支給している「クロームブック」と呼ばれるタブレット型パソコンを使って会員登録をした後、無料で何回でも相談することができます。

 ――これまでにどのような相談が寄せられていますか。

 ◆白井医師 これまで寄せられた相談はほとんど「いつでも相談」を使ったものでした。月経不順や片頭痛のような病名が簡単に付く相談はわずかで、友人関係の悩みや男女の付き合いに関することが主でした。また、「学校に行きたくない」「学校に行こうとすると頭痛がして行けない」といった訴えや、「家族に対してイライラして叩(たた)きたくなるけど、どうしたらいいか」という相談もありました。当初心配した「いたずら」のような内容はありません。どれも真剣な悩みを打ち明けてくれたもので、「よく相談してくれたな」と思います。

 ――一件一件内容の違う多様な相談に、どう答えていくのですか。

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毎日新聞 医療プレミア編集部

すずき・けいこ 1984年茨城県生まれ。法政大卒。2007年毎日新聞社入社。岐阜支局、水戸支局、横浜支局などを経て、15年5月から医療プレミア編集部。