実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

新型コロナ 新しい抗体医薬は「特効薬」になるか

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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緊急事態宣言発令中ながら午後8時を過ぎても飲食店などの看板が明るくともり、人々が行き交う新宿・歌舞伎町=東京都新宿区で2021年8月11日午後9時7分、吉田航太撮影
緊急事態宣言発令中ながら午後8時を過ぎても飲食店などの看板が明るくともり、人々が行き交う新宿・歌舞伎町=東京都新宿区で2021年8月11日午後9時7分、吉田航太撮影

 過去のコラム「新型コロナ ワクチン接種後もマスクを使う理由」及び前回のコラム「新型コロナ デルタ株対策にワクチン後もマスクを」で、「新型コロナウイルス以前の世界に戻るためには、特効薬がどうしても必要だ」という私見を述べました。これまで「『レムデシビル』『バリシチニブ』といった、重症例に限定して使われている薬剤は患者全員に使えるわけではなく特効薬とは呼べないこと」「『アビガン』『イベルメクチン』『トシリズマブ』など期待された(されている)薬はあるが、どれも必ずしも有効性が高いとは言えないこと」などを述べてきました。

 また、米国のトランプ前大統領が使用して有効であったとされている薬剤、米国Regeneron社の「REGN-COV2」については、過去のコラム「新型コロナ トランプ氏が使った薬とは?」で紹介しました。この薬の特徴として「感染して早い段階で投与すれば大きな効果が期待できること」「しかし費用が高すぎて(前大統領が希望していたように)患者全員に使えるようになるのは難しいこと」などを述べました。

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト 無料メルマガ<谷口恭の「その質問にホンネで答えます」>を配信中。