人生なりゆき~シニアのための楽しい生き方・逝き方

最後に大いに後悔しよう~死ぬ瞬間の後悔を考える/下

石蔵文信・大阪大学招へい教授
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 多くの終末期の人をみとってきた介護専門の著者(ブロニー・ウェア氏)の「死ぬ瞬間の5つの後悔」という本で紹介されている後悔のうち、前回は「友人と連絡を取り続ければよかった」という項目について紹介しました。あとの四つの後悔についても、自分なりに考えてみました。

 まず「自分に正直な人生を生きればよかった」です。確かに正直な人生は素晴らしいと思いますが、この世の中で、完全に自分に正直な人生を送ったら、いろいろな人や組織と対立することになり、かなり迷惑をかけるのではないでしょうか?

 私も「夫源病」のカウンセリングで、夫の上から目線やモラハラで苦しんでいる妻を診察したことがあります。あまりにも夫に気を使いすぎて、自分の人生を見失っている妻も多くいます。そういう方は、もう少し自分の気持ちに正直になってもいいと思いますが、あまりにも正直になりすぎると家庭が崩壊する恐れが高いのではないでしょうか? 学校や会社組織などでは、ある程度自分を「殺して」いかなければ、人間関係が成り立たないと思います。そのため私は「程々に自分に正直に生きればいい」と思っています。

「働き過ぎ」は回避可能なのか

 次の「働きすぎなければよかった」というのも真実でしょう。私自身も循環器内科の医師として忙しく働いていたため、家族をないがしろにしてきました。妻の献身的な努力によって…

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石蔵文信

大阪大学招へい教授

いしくら・ふみのぶ 1955年京都生まれ。三重大学医学部卒業後、国立循環器病センター医師、大阪厚生年金病院内科医長、大阪警察病院循環器科医長、米国メイヨー・クリニック・リサーチフェロー、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻准教授などを経て、2013年4月から17年3月まで大阪樟蔭女子大学教授、17年4月から大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。循環器内科が専門だが、早くから心療内科の領域も手がけ、特に中高年のメンタルケア、うつ病治療に積極的に取り組む。01年には全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を大阪市内で開設、性機能障害の治療も専門的に行う(眼科イシクラクリニック)。夫の言動への不平や不満がストレスとなって妻の体に不調が生じる状態を「夫源病」と命名し、話題を呼ぶ。また60歳を過ぎて初めて包丁を持つ男性のための「男のええ加減料理」の提唱、自転車をこいで発電しエネルギー源とする可能性を探る「日本原始力発電所協会」の設立など、ジャンルを超えたユニークな活動で知られる。「妻の病気の9割は夫がつくる」「なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略」など著書多数。