医療プレミア特集

夏休み明けの「子どもの頭痛」 大人がすべきこと

鈴木敬子・毎日新聞 医療プレミア編集部
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 子どもが頭痛を訴えてきたら、親は不安になるだろう。頭痛にはいろいろな種類があるが、夏休み明けなど長期休暇の後に発症することが多く、長期の学校欠席にもつながりやすい「慢性連日性頭痛」がある。子どもが頭痛を訴え、「学校に行きたくない」と言ったとき、親や周りの大人はどう対応すればよいのだろうか。子どもの頭痛に詳しい筑波学園病院(茨城県つくば市)小児科の藤田光江医師に聞いた。

 藤田さんは同病院と東京クリニック(東京都千代田区)で子どもの頭痛専門外来を担当している。一般のクリニックなどから紹介され、藤田さんの外来に来院するのは、慢性連日性頭痛の患者が多いという。慢性連日性頭痛は、1日に4時間以上、1カ月に15日以上の頭痛があり、それが3カ月以上続くものだ。痛みの程度はさまざまだが薬が効きにくく、不登校や昼夜の逆転など、日常生活に支障が出ることがある。

 頭痛は大きく「一次性頭痛」と「二次性頭痛」に分かれる。一次性は、慢性連日性頭痛や頭の片側もしくは両側が脈打つように痛む片頭痛など原因となる疾患がない頭痛、二次性は、感染症や頭部外傷など原因がはっきりしている頭痛のことだ。発熱を伴う頭痛で、嘔吐(おうと)、けいれん、意識障害があれば二次性頭痛を疑い、緊急に医療機関を受診する必要がある。

家庭でも学校でも子どもの訴えを受け止めて

 ――子どもが頭痛を訴えてきた場合、親や周りの大人はどうすればいいですか。

 ◆まずは受け止めることがすごく大事です。そして、頭を冷やしたり温めたりしてほしいかを聞いてみてください。そうすると子どもは「分かってもらえた」と思い、気持ちが楽になります。そのうえで、体温を測って熱はないか、嘔吐していないか確認し、二次性頭痛で急いで受診する必要があるかどうかを判断します。

 保護者だけではなく、学校の先生方も子どもの訴えを受け止めてほしいと思います。片頭痛が起きて保健室に行った小学生から、「すごく痛いのに熱がないとあまり心配されず、微熱のある子の方が大事にされる」という話を聞くことがあります。先生に「頭痛くらいで……」と言われたことが原因で、子どもが学校に行きにくくなったこともありました。「受け止める」ということは、どの場においても大事なことなのです。

 ――年齢にもよりますが、子どもの訴えから頭痛の重症度を推し量るのは難しいのではないかと思います。

 ◆頭痛について根掘り葉掘り聞くのではなく、子どもの様子や行動を観察することが大切です。もし頭痛を訴えても、ご飯をパクパク食べていたり、アニメを見て笑っていたり、きょうだいとじゃれ合ったりしている場合は、それほど痛くないと思っていいでしょう。一方、動きが少ないときは強い頭痛だと考えられます。その場合は慎重に見てあげた方がいいですし、それがどのくらいの時間続いているのかもポイントです。

 国際頭痛分類(国際的な頭痛の診断基準)によれば、小児の片頭痛では、頭痛の持続時間は2~72時間とされています。つまり、2時間も子どもが動かなかったら「何かあるのかもしれない」と思って観察してください。片頭痛の場合は動きが悪くなり、痛みが強くご飯が食べられない、暗く静かな部屋で寝ようとする、などの特徴があります。

 私は、外来に来た子に必ず「いま頭痛ある?」と聞きます。はっきりとした答えがなくても、子どもの様子を見ていると頭痛の有無が分かります。診察室で子どもが座る椅子は回転するタイプですが、子どもはそれがおもしろいようで、年齢の低い子は大抵くるくる回し、年齢が高い子も揺すります。その場合は、頭痛はないか軽いと判断します。片頭痛の場合は動くと余計に痛いので、片頭痛がある子は外来ではじっとしています。

 慢性連日性頭痛の特徴は、…

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鈴木敬子

毎日新聞 医療プレミア編集部

すずき・けいこ 1984年茨城県生まれ。法政大卒。2007年毎日新聞社入社。岐阜支局、水戸支局、横浜支局などを経て、15年5月から医療プレミア編集部。