みかんの匂いが分からないことと、記憶や感情にかかわる脳の内側側頭領域の萎縮が、有意に関連しているというデータが報告された。福岡大学スポーツ科学部の古瀬裕次郎助教らの研究で、詳細は「BMC Geriatrics」に7月12日に掲載された。
パーキンソン病やアルツハイマー病などの神経変性疾患では嗅覚が低下することが知られている。また嗅覚障害は、認知機能低下のリスクマーカーの一つとされている。しかし、健康診断では嗅覚検査が行われていないため、一般住民での嗅覚機能と身体機能、認知機能、脳萎縮との関連はほとんど分かっていない。このような背景から古瀬氏らは、福岡市の人工島であるアイランドシティの住民を対象とする疫学研究「福岡アイランドシティ研究」の一環として、以下の検討を行った。
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