実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

新型コロナ デルタ株対策にマスクの効果増強を

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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緊急事態宣言が発令され、マスク姿でJR大阪駅前を行き交う人たち=大阪市北区で2021年8月2日午前8時35分、山田尚弘撮影
緊急事態宣言が発令され、マスク姿でJR大阪駅前を行き交う人たち=大阪市北区で2021年8月2日午前8時35分、山田尚弘撮影

 「すれ違っただけでも(新型コロナウイルスに)感染するって本当ですか?」「マスクをしていても友達に会えないって本当ですか?」などなど、誰が言い出したか分かりませんが、このような怪しげな“情報”が独り歩きして社会が混乱しています。大阪では、7月下旬から8月にかけて「阪急阪神百貨店」傘下の2店舗、つまり阪神梅田本店(大阪市北区)と、すぐ近くの阪急うめだ本店(同)で、いずれも地下の食品売り場を中心に集団感染が起こりました。お客も従業員も全員がマスクをしていたはずなのに、です。

 現在日本を含めた世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」の感染力が従来のタイプよりも強いのは事実です。最新の見解では、デルタ株の感染力はアルファ株に比べて1.6倍、変異前の新型コロナウイルスと比べるとおよそ2倍の感染力を有するであろうと言われています(例えばロイター通信の記事Delta cases show 300 times higher viral load - S.…

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト 無料メルマガ<谷口恭の「その質問にホンネで答えます」>を配信中。