心の天気図

自殺予防 まずは直接たずねて

佐々木 司・東京大学教授・精神科医
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 わが国は自殺率の高い国の一つだ。旧ソ連や東欧の国々、韓国などに次いで高い。この四半世紀を振り返れば、1998年に社会経済状況の悪化とともに、自殺者数は2万人台前半から3万人台に急増、その後10年以上にわたり3万人を超える年が続いた。

 その後は漸減し2万人台前半に戻ったのが、昨年再び増加に転じた。また今回はこれまでと異なり10代から20代の若い世代での増加、女性での増加が目立った。

 自殺には予防策がある。例えばうつ病やそううつ病の人は自殺のリスクが高いが、炭酸リチウムという薬を使うとリスクを数分の1に減らせる。ほかにも統合失調症での抗精神病薬の継続使用、飲酒の制限などさまざまな工夫や取り組みの効果が知られている。

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佐々木 司

東京大学教授・精神科医

東京大学医学部医学科卒。東大病院、財団法人神経研究所晴和病院での勤務を経て、トロント大学クラーク精神医学研究所に留学。帝京大学医学部講師などを勤め、2008年に東京大教授。生活習慣や環境的諸要因と「こころと体」の健康との関連の解明、学校精神保健教育プログラム開発などを進め、英文国際誌を中心に成果を発表している。日本不安症学会理事長、日本学校保健学会常任理事。一般向け著書としては「その習慣を変えれば『うつ』は良くなる!」、共著に「精神科医と養護教諭がホンネで語る 思春期の精神疾患」