退職を数年遅らせることで、認知機能の低下から身を守れる可能性が増すことを、英セント・アンドリュース大学のJo Mhairi Hale氏らが報告した。この効果は、性別や学歴、仕事での業績に関わりなく認められたという。研究の詳細は「SSM Population Health」9月号に掲載された。
Hale氏らは、1992年に米ミシガン大学が開始した中高年者の追跡調査計画「Health and Retirement Study」(HRS)から、1996・2014年の間のどこかの時点で就労していた55・75歳の参加者2万469人を抽出。これらの人々の退職年齢を67歳に引き上げることが、後年の認知機能にどのような影響を及ぼすのかを検討した。
理論的には「使わなければ、衰える」ということは脳にも当てはまり、長く仕事を続ける方が認知機能にとっては良いと考えられる。Hale氏は「働き続けるということは、いわば、認知機能を“強制的に”使い続けることを意味する。退職者でも認知的な活動をすることはあるが、そこに強制力はない」と話す。
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