実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

新型コロナ 音楽イベントと感染防止は両立可能か

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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 2021年8月29日、愛知県常滑市で野外音楽フェスティバルが開催され、参加者20人以上が新型コロナウイルスに感染したことが報道されました。このフェスティバルでは、アルコールが提供されていたことに加え、客同士が密状態となり、さらにマスクを外す客が多数いたことが問題視されています。

 では、アルコールの提供がなかったとして、観客全員がマスクをし、密でない状態を最後まで維持すれば感染者は出なかったのでしょうか。また観客ではなく、パフォーマンスをする側はどのような対策を立てればいいのでしょうか。今回は、「コロナ禍での安全な音楽活動」について考察してみたいと思います。

 新型コロナのクラスター(感染者集団)は、病院、会社、学校、劇場、百貨店など人が集まるところであればどこででも生じえます。20年の春、まだ感染者がそれほど多くなかった頃はライブハウスでの発生が目立ちました。同時に「3密」という言葉が生まれ、密閉・密集・密接の典型であるライブハウスは最も危険な場の一つと考えられるようになりました。

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト 無料メルマガ<谷口恭の「その質問にホンネで答えます」>を配信中。