
高齢者がますます増えていくなか、介護現場の人手不足は大きな課題だ。ICT(情報通信技術)を活用して業務を効率化することも対策の一つだが、介護の業界は中小事業所が多いという経済的事情や、ヘルパーら働く人に比較的高齢者が多いなどの理由から、他の業界に比べてICTが広がりにくかったといわれる。 そこで、「お金をかけずにより良い介護へ」を掲げてICT導入を応援するNPOの活動が注目されている。法人名は「タダでカイゴをヨくしよう!」を略した「タダカヨ」(東京都大田区)。家族との面会や高齢者施設でのレクリエーション用娯楽にオンラインを活用したり、職員同士の連絡にスマホを活用したり。コロナ禍でのニーズにも合い、急速に利用者が増えている。ちょっとした工夫次第でICTは生かせるようだ。
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星野哲
ライター/立教大学社会デザイン研究所研究員
ほしの・さとし 1962年生まれ。元朝日新聞記者。30年ほど前、墓や葬儀の変化に関心を持って以降、終活関連全般、特にライフエンディングについて取材、研究を続けている。2016年に独立。立教大学大学院、東京墨田看護専門学校で教えるほか、各地で講演活動も続ける。「つながり」について考えるウエブサイト「集活ラボ」の企画・運営も手がける。著書に『人生を輝かせるお金の使い方 遺贈寄付という選択』(日本法令)、「『定年後』はお寺が居場所」(同、集英社新書)「終活難民-あなたは誰に送ってもらえますか」(2014年、平凡社新書)ほか。
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