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新型コロナワクチン 子供は「1回だけ」も選択肢

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
 
 

 過去のコラム「新型コロナ 大人のワクチン接種は『子供のため』」で述べたように、夏休みが明ける前には、「子供を学校に行かせてもいいのか」という保護者からの相談が目立ちました。そして、現在、太融寺町谷口医院(以下「谷口医院」)にメールで、あるいは直接受診で多く寄せられる質問が「(12歳以上の)子供に大人と同じ新型コロナウイルスのワクチン接種を受けさせなければならないのか」です。世界的にも10代(前半)の子供へのワクチン接種には、はっきりとしたコンセンサスがありません。今回は世界の動向も踏まえながら、小児への新型コロナワクチン接種の妥当性について考察したいと思います。

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太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト 無料メルマガ<谷口恭の「その質問にホンネで答えます」>を配信中。