無難に生きる方法論

長寿はめでたい? めでたくない? 私だったら……と考えること

石蔵文信・大阪大学招へい教授
  • 文字
  • 印刷
 
 

 年々増える100歳以上の高齢者。長寿は「おめでたい」と考えるのが一般的ですが、石蔵文信・大阪大招へい教授は「どうも素直に喜べない」と話します。それはどうしてでしょうか。

100歳を超えて生きるためには

 先日の敬老の日に合わせ、100歳以上の高齢者が8万6510人と51年連続で最多更新したことが発表されました。昨年から6060人も増えたというのです。ちなみに昭和45(1970)年の100歳以上の人口は310人でしたので、驚異的な寿命の延びです。

 イギリスでも平均寿命が発表され、男性は7週間ほど短くなったようです。統計開始以来、初めて短縮に転じたようですが、これには新型コロナウイルスのまん延が大きくかかわっているようです。この差を見ても、日本の新型コロナウイルスの対策は大きな失敗ではなかったと、個人的には感じます。

 長寿はおめでたいですが、ひねくれた考えの私はどうも素直に喜べないのです。まず100歳以上の方が8万人以上おられることは、8万人以上の方が介護など生活のお手伝いを受けていると思います。

 もちろん100歳を超えても自立している高齢者もおられます。そういう方々は、テレビなどのマスコミでときどき取り上げられていて、皆さんも「あやかりたいなあ」と思っているでしょう。しかし、よく考えてみると、テレビやマスコミで取り上げるのは珍しいからです。

この記事は有料記事です。

残り1305文字(全文1882文字)

石蔵文信

大阪大学招へい教授

いしくら・ふみのぶ 1955年京都生まれ。三重大学医学部卒業後、国立循環器病センター医師、大阪厚生年金病院内科医長、大阪警察病院循環器科医長、米国メイヨー・クリニック・リサーチフェロー、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻准教授などを経て、2013年4月から17年3月まで大阪樟蔭女子大学教授、17年4月から大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。循環器内科が専門だが、早くから心療内科の領域も手がけ、特に中高年のメンタルケア、うつ病治療に積極的に取り組む。01年には全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を大阪市内で開設、性機能障害の治療も専門的に行う(眼科イシクラクリニック)。夫の言動への不平や不満がストレスとなって妻の体に不調が生じる状態を「夫源病」と命名し、話題を呼ぶ。また60歳を過ぎて初めて包丁を持つ男性のための「男のええ加減料理」の提唱、自転車をこいで発電しエネルギー源とする可能性を探る「日本原始力発電所協会」の設立など、ジャンルを超えたユニークな活動で知られる。「妻の病気の9割は夫がつくる」「なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略」など著書多数。