心の天気図

「受診」前に相談できる仕組みの充実を

佐々木 司・東京大学教授・精神科医
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 少し前から、右肩に痛みが走るようになった。段々強くなっている気もするが、姿勢を工夫すれば日常生活は何とかなるので受診していない。キーボードが打てないなど仕事に差し支えれば間違いなく受診するだろうが、今のところ「五十肩」と勝手に判断して市販の塗り薬でしのいでいる。

 また先週からは奥歯が痛むようになった。こちらは受診するつもりだが、まだ予約していない。以前、虫歯を放置して歯を抜く羽目になったので、早期受診が必要なのは分かっているが、ひどい痛みでないため日常の雑事にかまけて延び延びになっている。

 「痛み」のようにはっきりした問題でもこうだから、症状が明確でない場合や問題を認識しにくい場合は、受診の必要性や緊急性の判断はなおさら難しい。メンタルの不調もその一つである。

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佐々木 司

東京大学教授・精神科医

東京大学医学部医学科卒。東大病院、財団法人神経研究所晴和病院での勤務を経て、トロント大学クラーク精神医学研究所に留学。帝京大学医学部講師などを勤め、2008年に東京大教授。生活習慣や環境的諸要因と「こころと体」の健康との関連の解明、学校精神保健教育プログラム開発などを進め、英文国際誌を中心に成果を発表している。日本不安症学会理事長、日本学校保健学会常任理事。一般向け著書としては「その習慣を変えれば『うつ』は良くなる!」、共著に「精神科医と養護教諭がホンネで語る 思春期の精神疾患」