実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

新型コロナ 「ただの風邪」にするのに残る課題

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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 少し前まで「医療逼迫(ひっぱく)で入院もできず自宅で孤独死……」などと言われていたのがうそのように新型コロナウイルスの感染者が激減しています。世界ではドイツやシンガポールなどのように、いったん減少していた感染者が再び増加に転じた国も少なくない中で、日本はいつの間にかワクチン接種率も世界トップクラスになり、医療者や専門家も驚くほどの勢いで新規感染者が減っています。では、この国では新型コロナはすでに恐れるに足りない感染症になったのでしょうか。あるいは近いうちにインフルエンザと同程度の「ただの風邪」となるのでしょうか。今回は、その可能性について実際の数字を見ながら考えていきたいと思います。

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト 無料メルマガ<谷口恭の「その質問にホンネで答えます」>を配信中。