実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

新型コロナ 年齢別に考える「最適な予防法」

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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外国人の入国が禁止され、閑散とする国際線の到着ロビー周辺のベンチ=成田空港で2021年11月30日午前9時28分、小川昌宏撮影
外国人の入国が禁止され、閑散とする国際線の到着ロビー周辺のベンチ=成田空港で2021年11月30日午前9時28分、小川昌宏撮影

 新型コロナウイルスが流行し始めてから、強く印象に残り今も忘れられない事例がいくつもあります。今回は一つの事例を取り上げ、我々が今後どのような行動をとるべきかについて考えていきたいと思います(ただし、いつものように、紹介する事例はプライバシー確保の点から詳細にはアレンジを加えています)。

 40代前半のその男性が太融寺町谷口医院(以下、谷口医院)を受診したのは、今年(2021年)の9月。「新型コロナの後遺症が治らない」が訴えでした。ここまではよくある話です。驚かされたのは「家族内感染」です。

 7月上旬に軽い感冒症状を自覚した男性は、まさか自分が新型コロナウイルスに感染したなどとは、みじんも思っていなかったと言います。デルタ株が流行し始めていた頃で「今までの新型コロナと違って重症化する。40代でも死亡する。医療が逼迫(ひっぱく)し重症化しても入院できない可能性がある」といった報道が盛んでした。そんな折、熱もなく軽度の咽頭(いんとう)痛と鼻水程度しかなかった男性は、「まさかデルタ株がこん…

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト 無料メルマガ<谷口恭の「その質問にホンネで答えます」>を配信中。