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新型コロナ 食事を共にした人に「高熱が出た」ら

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
 
 

 前回のこのコラムで、新型コロナウイルスの最大の特徴は「自分自身は軽症で済んでも、他人に感染させれば重症化するかもしれない」であり、その対策として「可能な限り風邪をひかないよう努める。ひいたかもしれないときは直ちに自己隔離と可及的速やかな検査が必要」といった内容について述べました。ただし、これだけで十分なわけではありません。我々は新型コロナのもうひとつの重要な特徴にも注意を払わねばならないからです。それは、「無症状時にも他人に感染させる」です。「無症状」は二つに分類することができます。一つは「発症前の無症状期(pre-symptomatic)」、もう一つは「感染期間を通してまったくの無症状(asymptomatic)」です。まったくの無症状なら自分では気づきようがないではないか、という声もあるでしょうが、発症前の無症状期、まったくの無症状、そして症状が生じた場合のいずれにも共通する点があります。それは(当たり前のことですが)「感染前には感染者に接している」ことです。接して感染したわけですからその接触は「濃厚接触」といえます。症状が出た場合は自己隔離(及び検査)を実施すればいいわけですが、濃厚接触があった(かもしれない)が無症状、という場合はどうすればいいのでしょうか。今回はこの問題について考えていきたいと思います。

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太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト 無料メルマガ<谷口恭の「その質問にホンネで答えます」>を配信中。