ER Dr.の救急よもやま話

新型コロナ オミクロンの本格流行前にすべき備え

志賀隆・国際医療福祉大医学部救急医学主任教授(同大成田病院救急科部長)
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オミクロン株に市中感染したとみられる患者が出たことを受け、記者の質問に答える大阪府健康医療部の藤井睦子部長(右)と山崎幸雄課長=大阪市中央区で2021年12月22日、梅田麻衣子撮影
オミクロン株に市中感染したとみられる患者が出たことを受け、記者の質問に答える大阪府健康医療部の藤井睦子部長(右)と山崎幸雄課長=大阪市中央区で2021年12月22日、梅田麻衣子撮影

 新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」が世界で増えています。世界保健機関(WHO)は12月18日に、89カ国でこの株の感染が確認されたと発表しました。しかも地域によっては、1日半~3日で感染者が倍増しているというのです。これについて、日本の対応はどうなっているかといえば「水際対策を一生懸命頑張っている」ということになります。水際対策にはもちろん意味がありますが、完璧ではありません。例えば、検疫にあたる人員や隔離のための施設は有限であるため、外国からの入国をすべて一律に扱うことはできません。流行の度合いが高い地域からの入国者を優先的に検査・規制する必要があります。さらに、オミクロン株の感染が広がる速さは、デルタ株よりも速いため「我々が流行を把握しきれないうちに大きく広がっていた」という可能性もあります。今回は、オミクロン株が本格的に流行しだす前に、日本の一般市民が、そして自治体や医療機関が、どんな備えをしておくべきかを考えます。

 オミクロン株はアフリカに加えて、ヨーロッパ、北米などで流行しており、一度コミュニティーに入ってきた場合には大流行が避けられないと考えられます。

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志賀隆

国際医療福祉大医学部救急医学主任教授(同大成田病院救急科部長)

しが・たかし 1975年、埼玉県生まれ。2001年、千葉大学医学部卒業。学生時代より総合診療・救急を志し、米国メイヨー・クリニックでの救急研修を経てハーバード大学マサチューセッツ総合病院で指導医を務めた救急医療のスペシャリスト。東京ベイ・浦安市川医療センター救急科部長などを経て20年6月から国際医療福祉大学医学部救急医学教授、21年4月から主任教授(同大成田病院救急科部長)。安全な救急医療体制の構築、国際競争力を産み出す人材育成、ヘルスリテラシーの向上を重視し、日々活動している。「考えるER」(シービーアール、共著)、「実践 シミュレーション教育」(メディカルサイエンスインターナショナル、監修・共著)、「医師人生は初期研修で決まる!って知ってた?」(メディカルサイエンス)など、救急や医学教育関連の著書・論文多数。