健康をつくる栄養学のキホン

コロナ禍で人気再燃の「ミロ」 その栄養価と大人が上手に飲む方法

成田崇信・管理栄養士
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 新型コロナウイルス禍における健康志向の高まりから、ネット交流サービス(SNS)を中心に話題になっている食品があります。その一つ、ココア味の麦芽飲料「ミロ」はSNSの口コミから人気に火が付くと供給が追いつかなくなり、販売を一時休止するほどでした。最近は“大人用”の粉ミルクも人気が高まっています。いずれも、もともとは子ども向けの飲み物でしたが、栄養価が注目されて大人にも広がっているようです。それぞれの栄養価の特徴や大人が飲む時の注意点について、管理栄養士の成田崇信さんが解説します。

麦芽飲料とは

 麦芽飲料の麦芽とは、発芽させた大麦を乾燥し、加熱したものです。大麦は小麦と同じように昔から利用されてきた重要な穀物ですが、小麦よりも製粉が難しく、煮えにくいため粒のままも食べにくいという難点があります。そのため、そのまま主食として食べるだけではなく、「麦芽」の部分を使って甘く栄養価の高いシロップに加工し、利用されてきた歴史があります。

 穀類はでんぷんを大量に蓄えており、芽が出て成長する時に栄養として利用します。大麦の新芽にはたくさんの消化酵素が含まれ、特にでんぷんを糖に分解する「アミラーゼ」が他の穀物よりも豊富です。これを利用してつくられたのが、消化がよく甘みを持つ麦芽エキスと呼ばれるものです。

 乾燥した麦芽を粉砕し、発芽させていない大麦を加熱したものと一緒に水に入れ、60℃程度のお湯で数時間保温すると、甘い粥(かゆ)状のものができ上がります。これをこしたものを濃縮してできあがるのが麦芽シロップです。

 麦芽だけでつくられたものを「麦芽エキス」と呼びます。麦芽独特の風味が強いのが特徴です。…

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成田崇信

管理栄養士

なりた・たかのぶ 1975年東京生まれ。社会福祉法人で管理栄養士の仕事をするかたわら、主にブログ「とらねこ日誌」やSNSなどインターネット上で食と健康関連の情報を発信している。栄養学の妥当な知識に基づく食育書「新装版管理栄養士パパの親子の食育BOOK」(内外出版社)を執筆。共著に「各分野の専門家が伝える子どもを守るために知っておきたいこと」(メタモル出版)、監修として「子どもと野菜をなかよしにする図鑑 すごいぞ! やさいーズ」(オレンジページ)などに携わっている。