医療プレミア特集

視力低下や肥満にも 長くなる子どもの「スクリーンタイム」どう対処する?

鈴木敬子・毎日新聞 医療プレミア編集部
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 寒さが体にこたえる季節になってきた。親子ともに家に閉じこもりがちになり、ついついテレビやゲームに費やす時間が長くなっていないだろうか。新型コロナウイルスの感染拡大以降、外出を自粛した結果、子どもたちのテレビやスマホ、ゲームなどの視聴時間(スクリーンタイム)が増えたとの指摘がある。新型コロナの収束が見通せない中、長くなるスクリーンタイムに親子でどう向き合えばいいのか。子どもと保護者へのアンケート調査を通じてメンタルヘルスなどの状況を調査している、小児科医で国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)社会医学研究部の森崎菜穂部長に話を聞いた。

のべ4万人以上の子どもと保護者が回答

 同センターは研究者や医師の有志による「コロナ×こども本部」を設置し、2020年4月から2~3カ月おきに計6回のアンケート調査をしてきた(※注1)。調査はインターネットで実施し、これまでに小学生~高校生の子どもと、0歳~高校生の子どもをもつ保護者のべ4万人以上が回答した。毎回の回答者は異なっている。

 第1回調査(20年4月30日~5月31日実施)で、保護者を対象に、コロナ前(20年1月)と比べ、勉強を除く1日あたりの子どものスクリーンタイムについて尋ねたところ、「未就園」の子は約6割、それ以降の各年齢層(「年少~年長」「小学1~3年」「小学4~6年」「中学生」「高校生」)では8割以上が「今のほうが長い」と回答した。第3回調査(20年9月1日~10月31日実施)で、保護者に同様の質問をしたところ、「増えた(プラス1~2時間)」「かなり増えた(プラス2時間以上)」と答えた人が4割以上だった。

 第6回調査(21年9月13~30日実施)でも、勉強を除く子どもの1日あたりのスクリーンタイムを保護者に尋ねたところ、長時間視聴にあたる「4時間以上」と回答した割合が年齢の上昇に伴って高くなり、小学4~6年生は23%、中学生は32%、高校生では44%となった。

 第1回調査で、体を動かして遊ぶ時間の変化を子どもに尋ねたところ、すべての年齢層で前年より「減った」という回答が7割を超えていた。第6回調査では、日常的な運動機会がない子どもが過半数に上った。

視力が低下し、肥満傾向の子も増加傾向に

 ――子どもたちのスクリーンタイムが増えていることと、日常的な運動機会のない子どもが多いことは関連がありますか。

 ◆関連していると思います。コロナによる外出自粛でお子さんの外遊びの時間が減ったり、学校の課外活動が制限されたりしたことが原因になっているのではないでしょうか。

 ――子どもたちの変化は他にもあるのですか。

 ◆文部科学省の「令和2(2020)年度学校保健統計調査」によると、裸眼視力1.0未満の子の割合は,小学1年生で約4人に1人、小学6年生では約半数でした。子どもたちの視力の低下が指摘されています。また、肥満傾向にある子どもの割合も増えています。これらはスクリーンタイムの増加と無関係ではなく、問題だと考えています。

 ――外出自粛の影響は大きいのですね。

 ◆詳細な原因は分析できていませんが、繰り返される緊急事態宣言で家にいる時間が長くなり、宣言期間中にそれまでテレビをあまり見ていなかったり、タブレットを使っていなかったりしたお子さんが操作方法を覚えたことも関係しているのではないかと思います。

 最初の緊急事態宣言のころは、家族が皆…

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鈴木敬子

毎日新聞 医療プレミア編集部

すずき・けいこ 1984年茨城県生まれ。法政大卒。2007年毎日新聞社入社。岐阜支局、水戸支局、横浜支局などを経て、15年5月から医療プレミア編集部。