ジソウのお仕事

施設職員とデート? 虐待通告で名指しされた少年

青山さくら・児童相談支援専門職員
  • 文字
  • 印刷
 
 

 児童養護施設の職員と高校生の男の子が「デートしている」という電話が虐待対応ダイヤル189にあった。電話してきたのは匿名の女性だが、子どもの名前を挙げ、具体的な事情を知っているような内容だった。

 電話を受けて、子どもが施設職員から虐待や性的関係など不適切な扱いをされている可能性について、私たち児童相談所(児相)の職員が当事者から聞き取り調査をすることになった。

 名指しされたUくんは、中学卒業時に児童養護施設を退所しており、高校1年生になっていた。児相の相談室に呼び出されたUくんは、黙ったままずっと下を向いて何も語らなかった。

この記事は有料記事です。

残り3130文字(全文3395文字)

青山さくら

児童相談支援専門職員

「青山さくら」はペンネーム。複数の児童相談所で児童福祉司として勤務した後退職し、現在は自治体などで子ども虐待関連の仕事をしている。「ジソウのお仕事」は隔月刊誌「くらしと教育をつなぐWe」(フェミックス)で2009年4月から連載。過去の連載の一部に、川松亮・明星大学常勤教授の解説を加えた「ジソウのお仕事―50の物語(ショートストーリー)で考える子ども虐待と児童相談所」(フェミックス)を20年1月刊行。【データ改訂版】を2021年3月に発行した。絵・中畝治子