
毎年12月になると、前年度の教職員の「公立学校教職員の人事行政状況調査結果」が文部科学省から発表される。特に世間の俎上(そじょう)に載るのは「わいせつ教員の処分」である。性暴力という人間の尊厳に関わる犯罪であり、非難されなければならない違法行為なのだから、なくすべきだし、処分や刑罰は当然である。
さらに文科省は、今年4月に施行される予定の「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」についての通知を発表している。わいせつ行為で懲戒免職などの処分を受けた教員は、免許が失効する場合がある。しかし、再度教職に就きたいと本人の希望があった場合、復職させるかどうかを教育委員会が判断するという内容も盛り込まれている。つまり、この法律は、教職員の性暴力を防止し、再犯を防ぐための法律でもある。教員の性暴力は子どもの問題ではなく、「教員一人一人が襟を正していく」大人の問題であることは確かだ。
「性教育」も、「幼児期からプライベートゾーンを見せたり触らせたりしないよう教える」といった性暴力回避を意識するなど、ずいぶん進化しているが、それでも学校では性やジェンダーに関わる問題がたくさんある。一方で、子どもたちもネットを通して「性情報」をたくさん手に入れることができる。ほとんどの教員は、上記で述べたような性暴力とは無縁であろうとしているし、性差別に加担する気もない。
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