
がんの免疫療法を自費で受けた後、約2カ月で死亡した患者の遺族が、治療した病院を経営する医療法人と、治療用のワクチンを供給した会社を相手取り「効果がない治療法だった」などと主張して損害賠償を求めていた訴訟の判決が2021年11月、宇都宮地裁で出ました。地裁は、医療法人に慰謝料など110万円の支払いを命じました。こうした訴訟で遺族側が賠償を勝ち取るのは珍しいといいます。しかし、遺族側は12月、東京高等裁判所に控訴しました。この判決が、「遺族側の勝利」とはいえない内容だったからです。何が問題だったのでしょうか。訴訟の背景や、判決が示した考え方、そして遺族側の不満の理由を取材しました。
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