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少子化解決へ 若者は生殖を学び、高齢者は立ち上がろう

米井嘉一・同志社大学教授
 
 

 新しい年を迎えた日本。そこには、さまざまな問題が山積しています。特に深刻なのが、少子高齢化でしょう。これまで若い世代と高齢世代の分断が指摘されてきましたが、今年64歳を迎える同志社大の米井嘉一教授は「若者は生殖の正しい知識を学び、高齢者は具体的な行動を」と訴えます。それはどんなことなのでしょうか。

新たな年、目覚めよう!

 新たな年を迎えました。今年はどんな年になるでしょうか? やるべきことがあるでしょうか? いろいろと考えをめぐらせています。

 1月生まれの私は64歳を迎えます。「特別な年齢」に感じてしまうのは、大好きなビートルズの曲「When I’m Sixty-Four」を思い出すからです。中学校1年か2年のころに聞いた楽曲は、頭の中に深く刻みこまれています。ちょうど第2次性徴期(11~14歳、精巣や陰毛が発育する)のころでした。盛んに男性ホルモン(テストステロン)が分泌され、声変わりして、陰毛やひげが濃くなる時期。いわゆる思春期は、音楽に関する感受性が最も高まる時期ともいわれています。

 そんな50年前、64歳の自分なんて想像もできませんでした。「成熟した柿」のようなイメージだったと思います。しかし、その年齢になってみると、全く成熟していない自分に気づきます。50年前の友達は腐れ縁のままですし、悩みや問題に追い回され、自分の体力や記憶力の衰えをただ実感するばかりです。

 それではいけません。積極的に前向き思考にならねば。まだまだすてきな学びと発見があるはずです。そう考えると、なんだか目が覚めたような気がしてきました。そうです。私たち日本人は今こそ目覚めないといけません。直面する問題に立ち上がる時なのです。

 私が研究するアンチエイジングは、「積極的健康」を目指しています。それは、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、経済的にも健康であることです。すべての年代の者に共通する目標です。そのためにも「健康な社会作り」が求められます。

 そこで、社会的、経済的健康を妨げる日本の問題点を考えてみました。

・高齢化・少子化

・医療費の高騰

・糖化ストレス(糖尿病など)と闘う時代

・農業の活性化

・地方の活性化

・所得の格差拡大

 今年はこれらについて考え、意見を述べていく予定です。

生殖について学ぶ意味

 1点目の「高齢化・少子化」は、非常に大きな課題です。今回は、日本の将来を見据えて、高齢化よりも少子化問題を解決していく方策を考えることにします。

 世の中には、さまざまな考え方や生き方があります。ただし、これから自分のライフプランを考える人たちは、生殖に関する正しい知識を学ぶことが大切です。

 科学的見地から生殖の仕組みを見ると、神秘であり、奇跡であることがわかります。…

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同志社大学教授

よねい・よしかず 1958年東京生まれ。慶応義塾大学医学部卒業、同大学大学院医学研究科内科学専攻博士課程修了後、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校留学。89年に帰国し、日本鋼管病院(川崎市)内科、人間ドック脳ドック室部長などを歴任。2005年、日本初の抗加齢医学の研究講座、同志社大学アンチエイジングリサーチセンター教授に就任。08年から同大学大学院生命医科学研究科教授を兼任。日本抗加齢医学会理事、日本人間ドック学会評議員。医師として患者さんに「歳ですから仕方がないですね」という言葉を口にしたくない、という思いから、老化のメカニズムとその診断・治療法の研究を始める。現在は抗加齢医学研究の第一人者として、研究活動に従事しながら、研究成果を世界に発信している。最近の研究テーマは老化の危険因子と糖化ストレス。