睡眠に関しての研究が進み、その大切さが明らかになってきています。フィジカル面だけでなくメンタル面、たとえば感情のコントロールについても睡眠が大きく関与していることがわかってきました。
ささいなことでも感情の振れ幅が大きく
国立精神・神経医療研究センターによると、ウイークデーの5日間を睡眠不足状態にした被験者では、ネガティブな情動刺激(他人の恐怖表情など)に対する左扁桃体の活動量が有意に増大していたといいます。扁桃体は情動と記憶の制御にかかわる部分です。つまり、睡眠が足りていたらそれほど刺激にならない対象物にも、睡眠不足の状態だと過剰に反応したということになります。
さらに、そのメカニズムも解明されました。扁桃体とつながっている腹側前帯状皮質を含む内側前頭前野は、扁桃体の過剰な反応を抑制する働きをもっています。睡眠不足状態の被験者では、このつながりが弱まり、抑制が十分にきかないことがわかりました。これは不安障害やうつ病などの患者と同じような状態に陥っていると考えられます。
この記事は有料記事です。
残り823文字(全文1263文字)
投稿にはログインが必要です。
注目コンテンツ