百年人生を生きる

「親なきあと」はお寺のネットワークで

星野哲・ライター/立教大学社会デザイン研究所研究員
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 知的障がいなどがある子どもや、ひきこもりの子が親のいなくなった後も安心して暮らせるようにするにはどうしたらいいのか――。このコーナーでも以前紹介した「親なきあと問題」で、お寺などの宗教施設を活用する動きが始まった。2021年10月、一般財団法人「お寺と教会の親なきあと相談室」 (京都市)が発足。12月には鹿児島市に最初の支部ができ、いつでも無料で相談に応じるお寺が生まれた。宗教者が直接的に問題を解決するというより、相談者の悩みを傾聴して寄り添い、行政や司法書士などの専門家らと連携しながら一人一人に必要な支援を構築していく。全国に約7万6000カ寺(文化庁宗教年鑑21年版)あるお寺は、古くから地域に根差すだけに地域の人々をつなげる可能性があるだけでなく、役所のように職員が転勤したり民間団体のように移転したりすることもなく生涯にわたって子どもに寄り添いうる。当事者の親からは期待の声があがる。

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星野哲

ライター/立教大学社会デザイン研究所研究員

ほしの・さとし 1962年生まれ。元朝日新聞記者。30年ほど前、墓や葬儀の変化に関心を持って以降、終活関連全般、特にライフエンディングについて取材、研究を続けている。2016年に独立。立教大学大学院、東京墨田看護専門学校で教えるほか、各地で講演活動も続ける。「つながり」について考えるウエブサイト「集活ラボ」の企画・運営も手がける。著書に『人生を輝かせるお金の使い方 遺贈寄付という選択』(日本法令)、「『定年後』はお寺が居場所」(同、集英社新書)「終活難民-あなたは誰に送ってもらえますか」(2014年、平凡社新書)ほか。