実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

新型コロナ 若者は元の生活に戻れるか

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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ハウステンボスで初めて開催された長崎県佐世保市の成人式に参加する新成人たち=同市で2022年1月9日午後1時54分、綿貫洋撮影
ハウステンボスで初めて開催された長崎県佐世保市の成人式に参加する新成人たち=同市で2022年1月9日午後1時54分、綿貫洋撮影

 前回のコラム「新型コロナ 厳しい制限が生む検査拒否と不平等」では「新型コロナウイルスの検査を勧めても拒否する人が増えてきている。その理由は、検査を受けない方が“得”をするからで、勧められるままにバカ正直に受けてしまうと“損”をするという不平等がはびこっている」という話をしました。検査を拒否しても何のおとがめもなく、しかも大半の人は数日間で症状が消失するか、もしくは元々無症状である一方で、検査を受けて陽性となると入院、もしくは10日間の療養所宿泊か自宅療養を強いられ、さらに濃厚接触者にも10日間の自己隔離が強いられます。この不平等さがおかしいのは明らかなため、私が院長を務める太融寺町谷口医院(以下、谷口医院)では、検査をするかしないかは患者さんの希望を尊重し、患者さんが検査を拒否した場合は、症状が消失するまでオンライン診療や電話で様子をうかがうようにしています。

 谷口医院の患者さんだけでなく、検査を拒否する人は全国に少なくないはずです。どれだけ軽症でも陽性になれば、少なくとも2日前までに一緒に食事をした人などは保健所から濃厚接触者の烙印(らくいん)を押され10日間の自己隔離を強いられるのです。現在の政策が維持されるのならば、検査を拒否する人がこれからも増えていくのは間違いないでしょう。

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト 無料メルマガ<谷口恭の「その質問にホンネで答えます」>を配信中。