心の天気図

塾通いの低年齢化が子どもの成長から奪うもの

佐々木 司・東京大学教授・精神科医
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 このところ、ネットやテレビ、電車内で目につくのが進学塾の広告だ。中には小学校の1年生から、という宣伝まである。

 私自身中学受験をしたので、進学塾通いの経験はあるが、その頃は5年生からが標準だったと思う。それが20年前、私の子が小学生の頃は3年生からになっていた。「3年生の学習内容が中学受験に出ることはないので、意味がない」と通塾に反対した。ただ結局妻の主張に押し切られることになった。

 この時の妻の主張は「あなたの頃とは時代が違う」だった。「中学受験する子どもの割合が増えて、競争が激化している」という理由だった。

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佐々木 司

東京大学教授・精神科医

東京大学医学部医学科卒。東大病院、財団法人神経研究所晴和病院での勤務を経て、トロント大学クラーク精神医学研究所に留学。帝京大学医学部講師などを勤め、2008年に東京大教授。生活習慣や環境的諸要因と「こころと体」の健康との関連の解明、学校精神保健教育プログラム開発などを進め、英文国際誌を中心に成果を発表している。日本不安症学会理事長、日本学校保健学会常任理事。一般向け著書としては「その習慣を変えれば『うつ』は良くなる!」、共著に「精神科医と養護教諭がホンネで語る 思春期の精神疾患」