ジソウのお仕事

「きつ音」は誰が直す? 女の子が帰宅を拒んだ理由

青山さくら・児童相談支援専門職員
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 小学5年生のLちゃん、どもることをいつも心配している女の子だった。ある時、「おうちに帰りたくない」と担任の先生に言ったことから、私たちが関わることになった。副校長からの電話を受けて、すぐに学校に行き、「子どもが助けを求めている」なら一時保護しようとしたが、Lちゃんは何も話してくれず、そのうち「帰りたい」と言い出した。

 Lちゃんと一緒に家まで行き事情を聞くことにした。学校から連絡があったらしく、母親は「どうぞお入りください」と私たちを大きな家に迎え入れた。父は単身赴任しているらしい。「夫の母と同居しています」と母親は言ったが、義母の部屋に続いているらしい扉は、ガムテープで乱暴に目張りしてあった。

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青山さくら

児童相談支援専門職員

「青山さくら」はペンネーム。複数の児童相談所で児童福祉司として勤務した後退職し、現在は自治体などで子ども虐待関連の仕事をしている。「ジソウのお仕事」は隔月刊誌「くらしと教育をつなぐWe」(フェミックス)で2009年4月から連載。過去の連載の一部に、川松亮・明星大学常勤教授の解説を加えた「ジソウのお仕事―50の物語(ショートストーリー)で考える子ども虐待と児童相談所」(フェミックス)を20年1月刊行。【データ改訂版】を2021年3月に発行した。絵・中畝治子