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新型コロナ 大阪で死者が多い理由

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
まん延防止等重点措置が適用され、マスク姿で交差点を歩く人たち=大阪市北区で2022年1月27日午前8時半、藤井達也撮影
まん延防止等重点措置が適用され、マスク姿で交差点を歩く人たち=大阪市北区で2022年1月27日午前8時半、藤井達也撮影

 2月8日、大阪府は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2021年春以来となる3回目の「医療非常事態宣言」を発出しました。変異株「オミクロン株」のまん延により、府内の新規感染者は連日1万人を上回り、軽症・中等症用病床の使用率は100%を超えてしまいました。医療提供体制は逼迫(ひっぱく)しています。大阪府は以前から、新型コロナによる、人口あたりの死亡者数が多いことが指摘されています。2月14日の時点で、大阪府の死亡者数は全国の都道府県中、最多の3375人。東京都(第2位)の3310人を上回っています。大阪の人口が東京の6割程度しかないことを考えるとこの死亡者の多さは異様です。

 札幌医科大学のウェブサイトで、人口100万人あたりの死者数(流行開始からの累積です)を見ると、大阪府は370.9人で2位の北海道の298.6人を大きく引き離してのトップです。5位の東京都(235.6人)と比べて約1.6倍、全国平均(156.4人)と比べれば、なんと2倍以上です。では、なぜ大阪府では新型コロナによる死亡者数がこんなにも多いのでしょうか。今回はその理由を考えます。

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太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト 無料メルマガ<谷口恭の「その質問にホンネで答えます」>を配信中。