
教員になりたての頃だが、接客業をしている保護者と雑談しているときに「先生と警察官とお坊さんはエッチ度が高いですよね」と冗談とも本気とも受け止めかねることを「一つの意見」として言われたことがある。「世間の目」というのは、そういうものなのかと、笑って済ませるほかなかったが、3者とも「規律厳守」や「禁欲」のイメージの強い職業なので、人間臭く、逸脱しやすい性とのギャップをネタにしたのだろう。現実でも、教職員が「規律を逸脱」して加害者になるような子どもへの性暴力は世間ではよく話題になる。
作家の門野晴子さんと「スクールセクハラ」について論じ合ったのは1980年代だった。そのとき、門野さんは「やっとこういう問題が社会的に明るみに出るようになった」と言っていた。しかし、現在にいたっても、あまり改善されることなく、教員が加害者となる事例は後を絶たない。
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