百寿者に学ぶ バランス健康術!

医師が、69歳のプーチン大統領を見て感じること

米井嘉一・同志社大学教授
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ウクライナへの軍事作戦を始めた際のロシアのプーチン大統領=モスクワで2022年2月24日、ロシア大統領府提供・AP
ウクライナへの軍事作戦を始めた際のロシアのプーチン大統領=モスクワで2022年2月24日、ロシア大統領府提供・AP

 ロシアによるウクライナ侵攻に唐突感を持った人も少なくないのではないでしょうか。その指揮を執るロシアのプーチン大統領について、医師の米井嘉一・同志社大教授は、長年多くの患者に接してきた経験から感じることがあるそうです。どんなことでしょうか?

さまざまな違いを乗り越え、理解する大切さ

 今回取り上げたいのは、高齢化・少子化の観点から、高齢化の問題点の一つです。最近の世界のニュースを見ていて、この議論を抜きに先に進めなくなってしまったのです。

 高齢者、中高年者、若者という世代間には、身体能力の違い、経験の違い、社会的地位の違い、収入の違いなど、さまざまな違いがあります。同じ世代であっても、体力の差、収入の差、コミュニケーション能力の差、情報収集力の差があります。

 大切なことは、同じ世代でも、世代が違っても、お互いの立場と考え方を理解し、互いに助け合う、協力し合う姿勢を持つことでしょう。

 私は今年4月から、同志社大社会学部で社会福祉士を養成するための医学系講義を新たに受け持つことになりました。「社会福祉士」は、社会福祉制度の専門家として高齢者や障害者、子どもたちの福祉、さらに養護学校や生活保護などの公的制度などにおいて、社会のあらゆる“困っている人”の良き相談者となります。

 社会福祉士は国家資格です。講義を受けただけで資格を得ることはできません。実習を受け、所定の単位を得たうえで、国家試験に合格することが必要です。このような仕事に就きたいと思う学生が多く存在することに感謝したい気持ちになります。

多職種連携が問題解決のカギを握る

 医療や介護、福祉の現場では、さまざまな専門性を持つ職種の人たちが協力して、“困っている人”を支えます。たとえば、医師、歯科医師、看護師、薬剤師、放射線技師、理学療法士、管理栄養士などです。互いに連絡を取り協力しながら、一つのチームとして最適な医療や介護、ケアを目指します。「多職種連携」と呼ばれます。社会福祉士は、これらの職種間の調整役(コーディネーター)としての役割を期待されています。

 社会福祉士に必要なことは、高齢者や弱者の立場を理解して相手を思いやるとともに、他職種の人たちの仕事の内容を理解し、仲間の立場を尊重する気持ちを持つことです。最近は、「多職種」がさらに広がっています。医療関係だけでなく、介護支援専門員(ケアマネジャー)、ソーシャルワーカー、地域包括支援センターや社会福祉機関の職員、介護保険施設の職員、民生委員、NPO法人の職員、ボランティア団体のメンバー、自治会など地域支援者などとの連携も重要になってきています。

 講義に加えて、実習として現場を見て仕事に加わります。そこで初めて知ることがたくさんあります。

パニック状態への対応方法

 その一つが、認知症のために興奮状態やパニック状態に陥ったおじいさん、おばあさんをなだめるという場面です。そんなときはどうすればいいか。…

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米井嘉一

同志社大学教授

よねい・よしかず 1958年東京生まれ。慶応義塾大学医学部卒業、同大学大学院医学研究科内科学専攻博士課程修了後、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校留学。89年に帰国し、日本鋼管病院(川崎市)内科、人間ドック脳ドック室部長などを歴任。2005年、日本初の抗加齢医学の研究講座、同志社大学アンチエイジングリサーチセンター教授に就任。08年から同大学大学院生命医科学研究科教授を兼任。日本抗加齢医学会理事、日本人間ドック学会評議員。医師として患者さんに「歳ですから仕方がないですね」という言葉を口にしたくない、という思いから、老化のメカニズムとその診断・治療法の研究を始める。現在は抗加齢医学研究の第一人者として、研究活動に従事しながら、研究成果を世界に発信している。最近の研究テーマは老化の危険因子と糖化ストレス。