ER Dr.の救急よもやま話

新型コロナ 大流行の「出口」を目指して

志賀隆・国際医療福祉大医学部救急医学主任教授(同大成田病院救急科部長)
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 こんにちは。もう3月ですね。新型コロナウイルスの感染者数は、全国的に見ると減り始めています。ただし、まだ毎日のように多数の感染者が出ており、重症者や死者もそれほど少なくなってはいません。以前のこの連載の記事「新型コロナ オミクロンの本格流行前にすべき備え」で、昨年12月に米ニューヨークで起きていた感染の状況をご紹介しました。その後、今年に入って日本で起きたことはほとんど、当時のニューヨークと同じようなことだと思います。高齢の方やリスクのある方の病状が悪化して、人工呼吸器が必要となったり、もともとあった他の病気が重くなったりしています。こうして死亡者が増えています。全体の感染者数も、昨年夏に起きた感染の「第5波」に比べるとはるかに多くなっています。オミクロン株自体の重症化リスクが低くても、膨大な患者数になれば必ず悪化する方がいます。私は12月初めの連載記事「新型コロナ オミクロン株の危険度と『今できる対策』」で「水際で時間を稼ぐのが大事」と書きました。ただ、後で少し触れますが、この時間稼ぎは、残念ながらそれほどうまくいかなかったようです。今回は、感染の「波」がまだ高い中での医療現場の状況を説明し、今後にどう備えるべきかを考えます。

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志賀隆

国際医療福祉大医学部救急医学主任教授(同大成田病院救急科部長)

しが・たかし 1975年、埼玉県生まれ。2001年、千葉大学医学部卒業。学生時代より総合診療・救急を志し、米国メイヨー・クリニックでの救急研修を経てハーバード大学マサチューセッツ総合病院で指導医を務めた救急医療のスペシャリスト。東京ベイ・浦安市川医療センター救急科部長などを経て20年6月から国際医療福祉大学医学部救急医学教授、21年4月から主任教授(同大成田病院救急科部長)。安全な救急医療体制の構築、国際競争力を産み出す人材育成、ヘルスリテラシーの向上を重視し、日々活動している。「考えるER」(シービーアール、共著)、「実践 シミュレーション教育」(メディカルサイエンスインターナショナル、監修・共著)、「医師人生は初期研修で決まる!って知ってた?」(メディカルサイエンス)など、救急や医学教育関連の著書・論文多数。