実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

新型コロナ 「正直な若者がばかをみる」のを避けるには

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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福ザサを求める参拝客でにぎわう今宮戎神社=大阪市浪速区で2022年1月9日午後3時41分、木葉健二撮影
福ザサを求める参拝客でにぎわう今宮戎神社=大阪市浪速区で2022年1月9日午後3時41分、木葉健二撮影

 新型コロナウイルスの新規感染者数は少しずつ減っていますが、まだ全国で1日7万人ぐらいの感染者が出ています。それだけに「新型コロナにかかったかも」と思った人は、なるべく早く検査を受けて、かかっていれば治療を受けるとともに、入院や自宅療養など自身を隔離する措置をとってもらうのが、感染拡大防止のためには望ましいわけです。ただし、この通りにすると収入減もあり得ますし、生活上、いろいろな不便を被ります。そこで自分で作った「独自のルール(基準)」に基づいて「まあ大丈夫」と判断し、あえて検査を受けない人が出てきます。すると、まじめに検査を受けた人がばかをみる、ということにもなります。一方で、現在のように若者にとっては「ただの風邪」ともいえる状況で「必ずすぐ検査を受けて」と言っても全員が素直に従うとは思えません。従わない人が残るなら、「まじめだとばかをみる」事態を避けるためにどんなルールを作るべきでしょうか。今回は、この問題を考えてみたいと思います。

 前々回のコラム「新型コロナ 大阪で死者が多い理由」では、大阪人は医師や行政の言うことを聞かず「独自のルール」で行動する傾向があり、このことが、感染者の多さや死亡者の多さの一因になっているのではないか、という私見を紹介しました。そのコラムでは「大阪の問題」として述べましたが、日本全国(あるいは全世界)どこにいってもこういった問題はある程度は起こっているでしょう。

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト 無料メルマガ<谷口恭の「その質問にホンネで答えます」>を配信中。