理由を探る認知症ケア フォロー

ゴミ出しの日を間違える母 娘の「色分けカレンダー」が通用しなかったわけ

ペホス・認知症ケアアドバイザー
 
 

 アルツハイマー型認知症があり、一人暮らしをしている80代女性のMさん。最近、ゴミ出しの日を間違えるようになり、隣の市から様子を見に来る長女は気をもんでいます。長女がカレンダーを色分けし、ゴミの日がひと目で分かるように工夫しましたが、Mさんは間違えてしまいます。そこで、長女が実家に泊まってみると、Mさんが本当に困っていたことに気付きました。さらに工夫をしたところ、ゴミ出しを間違えることがなくなったそうです。長女が考えついたある工夫とはどんなことだったのでしょうか。長女の相談を受けた認知症ケアアドバイザーのペホスさんが紹介します。

ゴミを出す日を間違えるようになったMさん

 Mさん(80代・女性)は、夫を亡くした15年前から一人暮らしをしてきました。アルツハイマー型認知症の診断を受けています。長男は飛行機での移動が必要な遠い場所に住んでいるので、めったに帰ってくることはありません。長女は隣の市に住んでおり、Mさんが認知症と診断されてからは、週1〜2回は実家に帰ってくるようになりました。

 Mさんには、自治会や婦人会の活動を通してお付き合いが続いているご近所さんも多くいます。そのご近所さんから長女に「お母さん、最近、ゴミを出す日を間違えることがあるのよ」という声が届きました。

 具体的には「ゴミの日ではない時にゴミを出している」「生ゴミの日に資源ゴミを捨てている」「資源ゴミの日に生ゴミを捨てている」ということがあったようです。

 ご近所さんは、その都度、Mさんに「今日はゴミの日じゃないよ」「今日はそのゴミを捨てる日じゃないよ」と伝えてくれているようですが、Mさんは「あら、そうだったわね、ごめんなさい」「勘違いしちゃったわ」と答えるものの、また間違えてしまうそうです。

 長女は、ご近所さんに「ご迷惑をおかけしてすみません」「最近は少しもの忘れがあるようなので、わたしからもゴミの日を間違えないように伝えておきます」と伝えるので精いっぱいでした。

カレンダ…

この記事は有料記事です。

残り1614文字(全文2444文字)

認知症ケアアドバイザー

ペ・ホス(裵鎬洙) 1973年生まれ、兵庫県在住。大学卒業後、訪問入浴サービスを手がける民間会社に入社。その後、居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、訪問看護、訪問リハビリ、通所リハビリ、訪問介護、介護老人保健施設などで相談業務に従事。コミュニケーショントレーニングネットワーク(CTN)にて、コーチングやコミュニケーションの各種トレーニングに参加し、かかわる人の内面の「あり方」が、“人”や“場”に与える影響の大きさを実感。それらの経験を元に現在、「認知症ケアアドバイザー」「メンタルコーチ」「研修講師」として、介護に携わるさまざまな立場の人に、知識や技術だけでなく「あり方」の大切さの発見を促す研修やコーチングセッションを提供している。著書に「理由を探る認知症ケア 関わり方が180度変わる本」。介護福祉士、介護支援専門員、主任介護支援専門員。ミカタプラス代表。→→→個別の相談をご希望の方はこちら