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コロナ下に捨て置かれたヘルパーへの手当

中澤まゆみ・ノンフィクションライター
濃厚接触者として、ヘルパーのケアを受ける吉田さん(手前)=でぃぐにてぃ提供
濃厚接触者として、ヘルパーのケアを受ける吉田さん(手前)=でぃぐにてぃ提供

 第5波に続いて、第6波でも新型コロナウイルス感染者の自宅療養は急増し、2022年1月12日には1万8708人だった自宅療養者は、ピーク時の2月16日には58万3279人となりました。この時点の入院患者を含む全体の療養者数は83万9643人で、69%を自宅療養者が占めています。

 自宅療養する感染者らを支えてきたのが、在宅医療と訪問介護です。しかし、訪問診療医や訪問看護師には医療保険の診療報酬で加算手当がついているのに、感染者や濃厚接触者の生活を支える訪問介護(ヘルパー)に払われる介護保険の介護報酬では、手当はまったくついていません。

 「感染リスクは同じ。むしろ医療職よりも至近距離で長時間、利用者をケアするヘルパーの貢献が無視されるのは理不尽」「訪問介護をどこまで軽視するのか。このままでは訪問介護がなくなる」と、新型コロナ陽性者にヘルパーを派遣している介護事業者の有志が、約4万筆の署名とともに要望書を提出しました。その結果、国がようやく「ヘルパーの手当を全額公費で助成する」という方針を出しました。

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ノンフィクションライター

なかざわ・まゆみ 1949年長野県生まれ。雑誌編集者を経てライターに。人物インタビュー、ルポルタージュを書くかたわら、アジア、アフリカ、アメリカに取材。「ユリ―日系二世 NYハーレムに生きる」(文芸春秋)などを出版。その後、自らの介護体験を契機に医療・介護・福祉・高齢者問題にテーマを移す。全国で講演活動を続けるほか、東京都世田谷区でシンポジウムや講座を開催。住民を含めた多職種連携のケアコミュニティ「せたカフェ」主宰。近著に『おひとりさまでも最期まで在宅』『人生100年時代の医療・介護サバイバル』(いずれも築地書館)、共著『認知症に備える』(自由国民社)など。