子どもの健康“あるある”相談室

「冷却シートを使う?」「お風呂は入ってもいい?」気になる子どもの発熱時の対応

白井沙良子・小児科医/小児科オンライン所属医師
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 保育園や幼稚園などの集団生活がスタートすると、気になるのが発熱です。新型コロナウイルス感染症もあり、気がかりな症状ですよね。発熱など風邪症状のためにお休みする日数は、0歳では年間約20日ともいわれています。発熱時のホームケアや受診の目安、解熱剤の使い方など、子どもの発熱について説明します。

熱の「高さ」より「期間」が大事

 「39度や40度の熱が出ると、脳に影響はないのですか?」と心配する声をよく聞きます。結論からいえば、熱の高さと疾患の重症度は必ずしも関係ありません。子どもは体が小さく、自律神経の働きも成長過程にあり、熱がこもりやすいと考えられます。「名もなき風邪」でも体温が39~40度に達することがあります。

 医学的には、熱の「高さ」よりも「期間」に注目します。発熱が3~4日以上続く場合は、細菌感染症や川崎病など、いわゆる風邪(ウイルス感染症)以外の原因が隠れていないかを検討する必要があるからです。

冷却ジェルシートによる窒息に注意

 次に、子どもが発熱したときのホームケアの方法や注意点を紹介します。

●冷却

 タオルでくるんだ保冷剤を、大きな血管が通る脇や脚の付け根にはさみましょう。ただし、冷たい感覚を嫌がったり、機嫌が悪かったりして難しい場合は、無理に冷やさなくても大丈夫です。部屋を涼しくしたり、解熱剤を使ったりしてください。

 なお、冷却ジェルシートには、全身の体温を下げる効果はありません。過去に、乳児の口や鼻をジェルシートがふさいでしまう窒息事故もありました。もし使う場合は、必ず保護者が観察できる状況のもとで使いましょう。

●食事

 発熱しているからといって、必ずしも食事の内容を変える必要はありません。離乳食の形態もミルクの濃さも、普段どおりで構いません。

 また、おなかの調子が悪いときは、うどんやおかゆなど消化の良い食べ物の方が症状の悪化を防ぐ可能性はあります。しかし、食べ慣れた食材でないと、受けつけない子どもも多いでしょう。そんな時は無理をせず、普段食べているものを食べさせてあげてください。体調を崩している時は、アレルギー症状が強く出る可能性がありますので、新しい食材を与えることは避けましょう。

 喉の痛みから、ご飯やパンなどの固形物は食べにくいこともあります。麺類やゼリー、ヨーグルトなら食べられることも多いので、トライしてみてください。

イオン飲料は飲み過ぎないで

●水分

 健康な時に摂取する水分の目安量(mL)は1日あたり「体重(kg)×80~100(mL)」とされています。たとえば10kgの子どもなら800~1000mLほどになります。発熱している時は、汗などで多くの水分が失われるため、より多くの量を飲んだほうがよいです。

 ただし、喉が痛かったり機嫌が悪かったりすると思うように飲んでくれないことも多いと思います。通常、子どもの体でも「取った水分の量が少なければ、尿の量を少なくする」など、脱水を防ぐ機能が働きますので、あまり量にこだわりすぎなくても大丈夫です。

 食事が進まない時に水や茶ばかり飲んでいると、血糖値が下がってぐったりしたり、回復が遅れたりします。…

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白井沙良子

小児科医/小児科オンライン所属医師

しらい・さよこ 小児科専門医。「小児科オンライン」所属医師。IPHI妊婦と子どもの睡眠コンサルタント(IPHI=International Parenting & Health Insutitute、育児に関するさまざまな資格を認定する米国の民間機関)。慶応大学医学部卒。東京都内のクリニックで感染症やアレルギーの外来診療をはじめ、乳幼児健診や予防接種を担当。2児の母としての経験を生かし、育児相談にも携わる。***小児科オンラインは、オンラインで小児科医に相談ができる事業です。姉妹サービスの「産婦人科オンライン」とともに、自治体や企業への導入を進めています。イオンの子育てアプリより無料で利用できます。詳細はこちら