実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

新型コロナ PCR検査の結果が含む「解釈の余地」

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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無料PCR検査の説明を受ける市民=群馬県高崎市のJR高崎駅東口前で2022年1月28日午後3時16分、菊池陽南子撮影
無料PCR検査の説明を受ける市民=群馬県高崎市のJR高崎駅東口前で2022年1月28日午後3時16分、菊池陽南子撮影

 「新型コロナに感染したかもしれないけれどもPCR検査を受けられない」という問題が深刻化していた2020年の春から夏にかけて、次々に新しい“ビジネス”が誕生しました。一部の医療機関は「PCRの代わりに」と(本当は代わりになりませんが)精度の低い抗体検査を始めました。その後、クリニックでもPCR検査ができるようになると、これを“商機”と捉え、それまで感染症とは無縁だった医療機関もPCR検査を扱うようになりました。そのうちに新型コロナのPCR検査専門の医療機関が誕生し、さらには郵送で検査を請け負う企業が生まれ、駅前で簡単に検査を受けられる検査所が民間企業によって作られるようになりました。

 この頃、私も含めて、感染症を診察し従来のPCR検査を実施していた医師たちは、こういった“新規参入者”をどうみていたかというと、否定的な意見はあったものの、需要(検査希望者)が供給を圧倒的に上回る状態でしたから、「そういう選択肢もあった方がいい」と考えていました。郵送で検査を引き受ける会社のなかには、「こっそり検査」などとうたい、その後のフォローをきちんとしているとは到底思えない業者もあり、こうい…

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト 無料メルマガ<谷口恭の「その質問にホンネで答えます」>を配信中。