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コロナで入院した人が「知っておきたかった」と言ったこと

金子至寿佳・高槻赤十字病院糖尿病・内分泌・代謝内科部長
 
 

 新型コロナウイルス感染症の軽症で自宅療養をしていた70代女性が、意識不明になって病院に運ばれてきました。女性にはごく軽い糖尿病があったそうですが、何が起きたのでしょうか。中高生向けの出前授業が人気の高槻赤十字病院(大阪府高槻市)の金子至寿佳医師が、いざというときに「知っておいてよかった」と思える「健康力」アップの秘訣(ひけつ)を紹介します。連載の第1回です。

自宅療養中に欲しがったもの

 新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)が2年以上も続き、「自分と大切な人の健康を守る力」が試されることになりました。このパンデミックは100年に1度といわれるほど大規模なものになってしまいましたから、一人一人の「健康力」が問われる場面が多くなっています。

 私は高槻赤十字病院で糖尿病の患者さんたちを診察しています。あるとき、新型コロナに感染し、軽症だったため自宅療養をしていた70代の女性が搬送されてきました。もともとごく軽い糖尿病をお持ちで、薬を服用されていました。

 この自宅療養中に、本人が「スポーツ飲料や、口当たりがよくて食べやすいからアイスクリームがほしい」と希望したそうです。家族は希望されるままに、希望のものを与え続けました。すると、本人は意識をなくし、病院に運ばれることになりました。そのとき…

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高槻赤十字病院糖尿病・内分泌・代謝内科部長

かねこ・しずか 三重県出身。医学博士。糖尿病医療に長く携わる。日本糖尿病学会がまとめた「第4次 対糖尿病5カ年計画」の作成委員も務めた。日本内科学会認定医及び内科専門医・指導医、日本糖尿病学会認定糖尿病専門医・指導医、日本内分泌学会認定内分泌代謝科専門医・指導医、日本老年病学会認定老年病専門医・指導医。インスリンやインクレチン治療薬研究に関する論文を多数執筆。2010年ごろから、糖尿病診療のかたわら子どもへの健康教育の充実を目指す活動を始め、2015年からは小中学校で出前授業や大人向けの健康講座を展開している。