
人は死んだ後、どんな評価を受けるのでしょうか。政治家や有名人は歴史によって評価されることになりますが、一般の人の場合はどうなのでしょうか。そこには、最後の時間の過ごし方がかかわってくるようです。「自分はあまり長生きしたくない」と語る石蔵文信・大阪大招へい教授が解説します。
プーチン大統領への歴史の評価は?
「蓋棺事定(がいかんじてい)」とは、「棺おけの蓋(ふた)が閉まってから人の評価が定まる」という故事です。その人への生前の評価はあてにならず、死後になってから評価が定まるという意味のようです。
ロシアがウクライナに攻撃を仕掛け、世界中の非難を浴びています。その「首謀者」であるロシアのプーチン大統領の支持率は、依然として高いそうです。ただし、それは言論統制などが影響しているからかもしれません。
たとえロシアがウクライナを占領しても、ここまで残虐な行為をしたら、プーチン大統領は第二次世界大戦後の世界では最悪の人物として歴史に名をとどめることになるでしょう。ドイツのヒトラーも最初は民衆から大きな支持を受けていましたが、結局は20世紀における極悪非道な人間として歴史に名を刻んでしまいました。…
この記事は有料記事です。
残り973文字(全文1472文字)
石蔵文信
大阪大学招へい教授
いしくら・ふみのぶ 1955年京都生まれ。三重大学医学部卒業後、国立循環器病センター医師、大阪厚生年金病院内科医長、大阪警察病院循環器科医長、米国メイヨー・クリニック・リサーチフェロー、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻准教授などを経て、2013年4月から17年3月まで大阪樟蔭女子大学教授、17年4月から大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。循環器内科が専門だが、早くから心療内科の領域も手がけ、特に中高年のメンタルケア、うつ病治療に積極的に取り組む。01年には全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を大阪市内で開設、性機能障害の治療も専門的に行う(眼科イシクラクリニック)。夫の言動への不平や不満がストレスとなって妻の体に不調が生じる状態を「夫源病」と命名し、話題を呼ぶ。また60歳を過ぎて初めて包丁を持つ男性のための「男のええ加減料理」の提唱、自転車をこいで発電しエネルギー源とする可能性を探る「日本原始力発電所協会」の設立など、ジャンルを超えたユニークな活動で知られる。「妻の病気の9割は夫がつくる」「なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略」など著書多数。